白馬村で一棟貸しの宿を経営するには?おすすめエリアとメリット・注意点を解説

白馬村は、国内有数のスノーリゾートとして知られ、
冬にはオーストラリアを中心に国内外から多くの旅行者が訪れます。

近年はグリーンシーズンのアクティビティ
(北アルプス登山、白馬マウンテンリゾートのバギーなど)や
長期滞在も広がり、別荘や戸建てを活用した一棟貸しの宿を
検討するオーナーも増えています。

一方で、白馬村での宿泊事業は、
冬の集客力だけを見て判断できるものではありません。

エリアによる客層の違い、繁忙期と閑散期の差、
積雪への備え、清掃や緊急対応の体制、
旅館業の許可や宿泊税への対応まで、
開業前に確認したい項目があります。

この記事では、
白馬村で一棟貸しの宿を経営するメリット・デメリット、
おすすめエリアの考え方、開業前に
確認しておきたい実務を解説します。

目次

白馬村で一棟貸しの宿が注目される理由

国内外から年間を通じて旅行者が訪れる


白馬村の観光需要は、スキーだけではありません。

白馬村の2025年の目的別観光客推計は約291万人で、
内訳はスキー客が約118万人、一般観光旅行が約168万人でした。

冬の需要が強いことに加え、登山、マウンテンバイク、
避暑、紅葉、観光旅行など、雪のない季節にも
宿泊につながる目的があります。

東京からは、北陸新幹線と特急バスを利用して、
最短約2時間50分と案内されています。

首都圏から週末旅行の候補になりやすく、
長野市・松本市などの周辺観光と組み合わせた滞在も考えられます。

外国人旅行者とグループ滞在との相性がよい

白馬村が公表した2024年の外国人観光客延べ宿泊者数は、
44万7,474人で、前年比177.2%でした。

オーストラリアが全体の44.7%を占めており、
冬季を中心に、英語圏の旅行者への対応が重要です。

複数の寝室、広いリビング、キッチン、
洗濯設備、乾燥室などを備えた一棟貸しは、
家族や友人グループの連泊と相性があります。

単に泊まる場所ではなく、
滞在の拠点として選ばれやすいのが、
白馬の一棟貸しです。

白馬村で一棟貸しを経営するメリット

1.冬季は高い宿泊需要を見込める

スキー場へのアクセスがよく、複数人で利用しやすい物件は、
年末年始や積雪が安定する時期に、強い需要を見込めます。

寝室数、浴室数、スキー・スノーボード用品の収納や
乾燥スペースが整っていると、
一棟貸しならではの価値を伝えやすくなります。

2.一棟単位で客単価を設計しやすい

ホテルのように客室ごとに販売するのではなく、
建物全体を1組へ貸し出すため、定員と設備に合わせて、
一棟単位の価格を設計できます。

大人数で利用したときの1人あたり価格に納得感があれば、
個室のホテルと比較して、選ばれる可能性があります。

3.オーナー利用と貸出を組み合わせられる

自分や家族が使う日程を確保し、
それ以外の期間を宿泊施設として運営する方法もあります。

所有するだけでは、固定資産税、修繕、
除雪、設備管理などの負担が続きますが、
貸出による収入を、維持管理費の一部に充てられる可能性があります。

4.グリーンシーズンの価値も育てられる

冬の売上が大きい物件でも、年間収益を安定させるには、
夏や秋に訪れる理由を伝えることが重要です。

ウッドデッキ、BBQ、眺望、ワークスペース、
長期滞在向け設備など、スキー以外の魅力を整えることで、
季節ごとに異なる客層へ訴求できます。

白馬で重要なのは、冬の最大売上だけではありません。
年間の稼働率、宿泊単価、除雪・暖房・清掃などの運営コストを合わせて、
収支を考える必要があります。


白馬村で一棟貸しを経営するデメリット・注意点

繁忙期と閑散期の差が大きい

白馬は、冬季の予約が集中しやすい一方、
雪の状態や曜日、連休、イベントによって、
需要が大きく動きます。

冬の料金を年間へ当てはめた収支計画では、
実際の売上を過大に見積もるおそれがあります。
月別の稼働率と宿泊単価を分け、
閑散期も含めて計画することが必要です。

住宅地の地価上昇率は全国1位。新規取得のハードルは高い

国土交通省の2026年地価公示では、
みそら野にある住宅地の標準地「白馬-1」の公示価格は、
1平方メートルあたり2万7,400円でした。

前年からの上昇率は33.0%で、全国の住宅地の中で1位です。

同じ標準地の公示価格は、2020年の1平方メートルあたり8,980円から、
2026年には約3倍まで上昇しています。

白馬の不動産需要の強さを示す数字であり、
既に物件を所有するオーナーには、資産価値の面で追い風になる可能性があります。

一方で、これから土地や建物を取得する場合は、
初期投資が大きくなり、宿泊事業の利益だけで
投資額を回収するまでに時間がかかりやすくなります。

公示地価は特定の標準地の価格であり、
実際の取引価格はエリア、接道、眺望、
建物の状態などによって異なりますが、
新規取得のハードルが上がっていることは、
事業計画に織り込む必要があります。

積雪地特有の維持管理費がかかる


除雪、屋根雪、凍結、水抜き、暖房、給湯、
車両の進入など、白馬では冬季特有の管理が欠かせません。

チェックイン前に、駐車場や玄関までの動線を確保できなければ、
宿泊体験だけでなく、安全面にも影響します。

建物の断熱性能や暖房方式によって、光熱費も大きく変わります。

・除雪の契約範囲と、降雪時に対応できる時間
・水道管・給湯設備の凍結防止と、水抜きの方法
・屋根雪、落雪、つららへの安全対策
・冬季の駐車台数、接道、四輪駆動や冬用タイヤの案内
・暖房費を含めた、1泊あたりの運営コスト

現地対応と清掃体制の確保が難しい


無人チェックインにしても、設備トラブルや鍵の不具合、
停電、積雪、忘れ物など、現地対応が必要になる場面はあります。
繁忙期は、清掃やリネンの需要も集中します。

遠方のオーナーが運営する場合は、予約を始める前に、
清掃・除雪・緊急対応を担う体制を決めておく必要があります。

外国語での案内とルール設計が必要

外国人旅行者が多い白馬では、英語でのチェックイン案内、
設備の使い方、暖房やゴミ出し、騒音、
駐車、雪道の注意点を、分かりやすく伝える必要があります。

翻訳しただけの長い案内では読まれにくいため、
写真や短い動画も組み合わせると効果的です。

白馬村で一棟貸しを検討しやすいエリア


白馬村では、同じエリア名でも、スキー場や飲食店、
バス停までの距離、坂道、接道、除雪条件によって、
使いやすさが変わります。

次の特徴は、物件を比較する際の目安として捉え、
必ず現地で確認してください。

八方・和田野

八方尾根へのアクセスを重視する旅行者や、
外国人スキー客と相性のよいエリアです。

飲食店やバスターミナルへの距離も評価されやすい一方で、
取得費、競合、冬季交通を細かく確認する必要があります。

エコーランド・みそら野


みそら野管理事務所(白馬総合開発株式会社)が管理するエリアです。

居酒屋やカフェのあるエコーランドに隣接し、
白馬47など複数のスキー場への移動を組み合わせやすく、
家族・グループ向けの一棟貸しと相性のよいエリアです。

エコーランドは白馬村きっての飲食街で知られ、
居酒屋やカフェ、バーが集まり、冬場はまるで外国かと思うくらい
ほぼ100%外国人でごったがえします。

同じエリア内でも、徒歩圏の差、シャトル、
除雪、夜間の移動手段を確認します。

▶ 名鉄別荘地


名鉄別荘地は、みそら野別荘地の平川を挟んで南側です。

飯森駅に近く、比較的平坦な土地が多いエリアで、
別荘やログハウスが多く、五竜方面へ移動しやすい立地でもあります。

一棟貸しの宿として検討する場合は、
冬季の道路状況や除雪体制に加えて、別荘地の管理規約、
上下水道、浄化槽の状態も確認しておきましょう。

岩岳・新田・切久保

岩岳の冬季需要に加え、
グリーンシーズンの観光とも結び付けやすいエリアです。

眺望や地域らしい建物が魅力になる一方で、
坂道、積雪、建物の古さ、設備更新の必要性を確認します。

五竜・飯森

五竜・Hakuba47を目的とするスキー客や、
家族旅行と相性のよいエリアです。

ゲレンデ、駅、飲食店までの移動手段と、
物件周辺の冬季道路状況を確認します。

白馬駅・国道148号周辺

スーパーや駅への利便性を訴求しやすく、
観光拠点として使いやすいエリアです。

リゾート感だけでなく、
眺望、騒音、道路からの入りやすさを確認し、
物件ごとの魅力を考えます。

開業前に確認したい許可・制度

旅館業か住宅宿泊事業(民泊)かを決める

宿泊料を受け取り、反復継続して人を宿泊させる場合は、
旅館業法に基づく許可、または
住宅宿泊事業法に基づく届出が必要です。

住宅宿泊事業(民泊)は、
年間営業日数が180日以下に制限されます。

冬だけ貸すのか、年間を通じて運営するのかによって、
適した制度が異なります。

ちなみに、白馬村の貸別荘は
だいたい旅館業法で運営していると思います。

物件を購入してから、営業できないと判明することを避けるため、
契約前の段階で、長野県大町保健福祉事務所、
白馬村、消防、建築の担当窓口などへ相談します。

用途、設備、接道、地域の協定、景観、
改修内容によって、確認事項が変わります。

2026年6月から白馬村宿泊税が始まっている


白馬村では、2026年6月1日から宿泊税が導入されました。

旅館・ホテル・簡易宿所だけでなく、住宅宿泊事業に係る施設も対象です。

宿泊施設の経営者は、宿泊者から税を徴収し、
白馬村へ申告・納入します。

1人1泊の宿泊料金に対する税額は、次のとおりです。

・6,000円未満:課税なし
・6,000円以上20,000円未満:200円
・20,000円以上50,000円未満:400円
・50,000円以上100,000円未満:900円
・100,000円以上:1,900円

※上記は、2026年8月19日時点の情報です。

白馬村で物件を購入する前のチェックポイント


□希望する営業形態で、許可・届出が可能か確認する
□冬季の接道、除雪、駐車、落雪リスクを現地で確認する
□断熱、暖房、給湯、水道管、屋根、外壁の状態を確認する
□想定定員に対して、寝室、浴室、トイレ、ダイニングが十分か確認する
□清掃、リネン、除雪、緊急対応を依頼できる体制を確認する
□繁忙期・閑散期を分けた収支計画を作る
□英語での案内、予約サイト、宿泊税の運用方法を決める

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白馬村で一棟貸しを成功させるには、
よい物件を取得するだけでは足りません。

誰に泊まってもらうのか、どの季節に何を魅力として伝えるのか、
何泊から受け付けるのか、料金をどう変えるのかまで、
設計する必要があります。

Airbnbなどの予約サイトへ掲載した後も、
写真、説明文、宿泊条件、価格、レビュー、
周辺情報を継続して見直します。

冬季は、予約対応と現地業務が集中するため、
開業時点から、運営の役割分担を決めておくことが重要です。

白馬村の一棟貸し経営でよくある質問

Q.Airbnbへ掲載すれば一棟貸しを始められますか?

掲載だけでは、営業できません。

旅館業法の許可または住宅宿泊事業法の届出など、
物件と営業形態に応じた手続きが必要です。

消防、建築、景観、地域の協定も含め、
契約や改修の前に、関係窓口へ相談してください。

Q.白馬の一棟貸しは、冬だけで収益を出せますか?

立地、定員、設備、借入、運営コストによって異なりますが、
例えば9人が宿泊できる広めの貸別荘ですと、12〜3月の間だけで
ホスティング収入が1,000万を超えることも珍しくはありません。

ただ、冬の売上は大きくなりやすい一方で、除雪や暖房などの費用も増えます。
夏や秋の需要も含め、年間の収支で判断する必要があります。

Q.遠方のオーナーでも運営できますか?

可能ですが、清掃、除雪、設備トラブル、
緊急対応を担う現地体制が必要です。

予約対応だけを遠隔化しても、現場業務はなくなりません。
委託範囲と連絡体制を、明確にしておきましょう。

Q.どのエリアが最もおすすめですか?

一律に最適なエリアはありません。
スキー客、家族、長期滞在など、狙う客層によって、
立地の評価は変わります。

ゲレンデや飲食店までの距離だけでなく、
冬季道路、除雪、駐車、眺望、
建物の状態を合わせて判断します。

まとめ|白馬では立地・建物・運営体制を一体で考える


白馬村は、強い冬季需要と国際的な知名度を持ち、
グリーンシーズンにも旅行目的をつくれる地域です。

複数人が長く滞在できる一棟貸しは、
白馬を訪れる家族やグループと相性があります。

一方で、繁閑差、除雪、凍結、暖房、清掃、
外国語対応、許可・宿泊税など、白馬ならではの実務もあります。

物件価格や冬の宿泊単価だけで判断せず、
エリア、建物、年間収支、現地運営体制を
一体で確認することが大切です。



参考情報

白馬村:観光統計
白馬村:令和6年 外国人観光客延べ宿泊者数統計
Hakuba Valley:アクセス
白馬村:宿泊税のご案内
観光庁:民泊制度ポータルサイト
長野県:旅館業法様式・相談窓口
白馬-1:公示地価の推移